「オレ様化する子どもたち」諏訪哲二//後半がなければ名著

 現場バリバリで活躍してきた教師による教育論。

 今までイノセントなものとして「子どもがおかしい」と発言するのが躊躇われていたが、はっきりと言うべきである。
 教育は贈与であり、等価交換ではない。
 それらの主張を豊富な現場例を交えて語る口調は、多少強引な気もするけれど気持ちが良い。

 やはり実際に経験してきた例を出されると説得力があり、とても勉強になった。

 しかし問題は後半。

「若者、子ども問題を語る人々」を一人ずつあげつらい、人格攻撃に近いような批判がひたすら続く。
 さすがに辛くなり、最後まで読む事が出来なかった。

 この方なりに本気で教育を考えている故の事なのだろうが、人の悪口を100ページ近く読むだけの気力は、私にはなかった。